YAOKIが挑む、月の地形ってどうなってるの?

こんにちは、YAOKIレポーターの「ゆい」です。
この冬、ついにYAOKIは月面を走ります。でも月面ってどんなところなのでしょうか?

今回は月の地形についてご紹介します。

月の地形は、山あり谷あり!

月には50程度の山や山脈、数万個のクレーターといった地形が広がっています。クレーターというのは隕石が衝突した後の穴のことです。なかなか馴染みがないかもしれませんが、地球上にも実はロシアやオーストラリア、カナダに大きなクレーターが存在しているんですよ。

「月の地形について全体像を知りたい!」という方は、国土地理院が公開している月の地形図をご覧ください。

月の地形図 Topographic maps of the moon | 国土地理院
https://www.gsi.go.jp/chirijoho/chirijoho41003.html

月にも「海」と「陸」がある!?

月を見上げてみると、暗い部分と明るい部分があるのがわかりますか?

この暗い部分が海、明るい部分が陸と言われています。もちろん、海とは言っても、地球のように水がある海ではありません。暗く見えるのはこの海に存在する「玄武岩」という岩石が黒い色だから。一方、陸には、「斜長岩」という白い岩石がたくさんあるため、白っぽく明るく見えるのです。

ではなぜ海と陸は岩石の種類が違うのでしょうか。

実は、月の海自体が、月が生まれた頃にできた巨大クレーターなのです。月の内部にしかなかった玄武岩の溶岩が表面に吹き出してできたのです。そのため、海はクレーターの少ない平らな場所になっており、逆に陸にはたくさんのクレーターや山脈が見られます。

ちなみに、1969年に人類が初めて足を踏み入れた場所は、「静かの海」でしたね。比較的クレーターも少なく、平らで安全だったのです。

月の山やクレーターの大きさはどれくらい?

月で最も高い山は、「ホイヘンス山」とよばれる標高約5,500mの山。

地球にある最高峰の山はエベレストですが、エベレストの標高が8,848mであることを考えると、少し規模が小さく感じてしまうかもしれません。でも、この山の成り立ちはスケールが桁違い!なんと隕石の衝突によって出来たそうです。

そして次にクレーター。月で最も大きなクレーターは「ヘルツシュプルングクレーター」で、直径は536.37kmです。

この大きさがイメージできますか?

例えば、東京都から徳島県までの直線距離が約530kmです。目を閉じて、この驚くべき大きさを想像してみてください。

月に地下洞窟!?

月の地下洞窟
(c) JAXA/SELENE/Crescent/Akihiro Ikeshita for Kaguya image

2017年、驚きの発表がありました。日本の衛星「かぐや」が、数10m〜数100mの深さに、複数の空洞の存在を確認したのです。この洞窟は縦穴につながっているとみられており、幅は100m前後、長さは50kmあると考えられています。また、断面は崩落しにくいかまぼこ形と予想されています。

なんだかこの洞窟の中で安全に生活できそうだと思いませんか?

実際に、将来の月面基地の候補として考えられているのです。月面は強い放射線、昼夜の激しい温度差、隕石の衝突リスクといった厳しい環境下にありますが、地下の洞窟内はそれらのリスクから人や機械を守ることができるのです。

まとめ

今回は月の地形についてご紹介しました。

月の巨大な山や谷、そして地下の洞窟を、これからYAOKIちゃんが攻略していくんですね。がんばれYAOKIちゃん!

YAOKIレポーターのゆいでした。

参考文献

執筆者プロフィール

ゆいYAOKIレポーター
宇宙に憧れる医学生。
月や火星にたくさんのヒトやロボットが暮らす未来に想いを馳せている。将来の夢は宇宙で働くお医者さん。

あまり周りに流されることなく冷静であるものの、試験前も危機感がない。良くも悪くも非常にマイペースな性格である。歩きながら空を見上げることが好きで、そのためよく電柱にぶつかる。