【YAOKIのアートセッション】石多未知行さんと対談!in MASC東京事務局(3)

本記事は、「【YAOKIのアートセッション】石多未知行さんと対談!in MASC東京事務局」の第3回目の記事です。最終回となる今回は、重力に縛られている概念から解放されるために宇宙に行くという壮大なテーマのクロストークです。

引き続き、石多未知行さんと中島の対談をお楽しみください。

我々は重力によって「身体」だけでなく「概念」さえも縛られている
〜だからこそ、僕らは宇宙に行くのだと思う〜

中島

宇宙は、無限大に対する憧れであり、神秘そのものだと思っています。意識するきっかけは小学校4年生の時の出来事でした。

掃除当番で、6年の教室を担当しました。教室の壁に数字の単位が書いてありました。一十百千と始まって、那由他、不可思議、そして最後は無量大数でした。私は衝撃を受けました。

「えっ、数字はここで終わり??」

数の上限があることが、無限に続く宇宙の果てを想像して、その神秘を感じました。

石多さん

プリミティブな民族では「1、2、3、たくさん」という数え方もありますね。
ある数えられる数字以上は、すべて一緒と扱う考え方です。

中島

仏教では、無量大数を「砂をさらうときの数」とする説もあります。数の概念の限界もありますが、私は、「重力」によって我々の概念も縛られていると感じています。

石多さん

無重力状態で、どういうアートが生まれるかにもとても興味があります。

果たして、無重力で絵具は広がるのだろうか?上下がないから、広がらないですよね?バケツに穴を開けて入れて、回しながら絵を描く技がありますが、物理法則の異なる宇宙では、絵具がどう散るのか?

中島

実験しようと思っても、ISSでも散らばる系の実験はできないですね。シャボン玉ができそうな気がしますが・・・。

石多さん

我々は、概念で、重力にかなり縛られています。

例えば、垂れる、にじむ。ということをアーティストはスキルにしています。それは重力による作用です。それがない世界では、全然違うスキルが生まれます。にじまない世界って?筆から紙にどう物質はつながる?

月での陰影を使った絵や彫刻も描いてほしいですね。また宇宙空間なら、光がゼロか100か。光の質はどうなるか?光と影のツートンのみで絵を描いていくのか?映像の作り方なども気になります。

中島

アポロの写真だと、光にも中間色もありそうです。月面はシンプルで、きれいだと感じる光と影があればいい。1色では無理。コントラストができる。

石多さん

確かに月では反射光ありそうですね。他にはレーザーみたいな直進性の高い光はどうなるのでしょう?空気や塵のある地球の環境では可視化されるが、それらがないと可視化されずどう見えるのでしょうか?

YAOKIが月面に行くことで、重力から解き放たれ、人類にとって新しいアート(アイデア)が切り開かれることを大いに期待します!

今日はありがとうございました。

中島

こちらこそありがとうございました。
これから、YAOKIのアートプロジェクトをご一緒できればと思います。

おわりに

第3回航空宇宙ビジネスフォーラム in倉敷 アーカイブ動画のご案内

中島は石多さんと「第3回航空宇宙ビジネスフォーラム in倉敷」の第6部【アート特別セッション】の「アート思考と新産業創出」をテーマとしたセッションでディスカッションさせていただきました。当日のグラフィックレコーディングとアーカイブ動画をご覧ください。

「第3回航空宇宙ビジネスフォーラム in倉敷」より第6部ディスカッションのグラフィックレコーディング

写真提供: 一般社団法人MASC 東京事務局
取材場所提供:サンワサプライ株式会社