【MASC主催】第3回航空宇宙ビジネスフォーラムin倉敷にてYAOKI実演
3月20日、岡山県倉敷市で開催された「 第3回航空宇宙ビジネスフォーラムin倉敷」にて、ダイモンの代表である中島が登壇し、月面探査車「YAOKI」の実演及び、ディスカッションに参加させていただきました。
本イベントはMASC(岡山県倉敷市水島地域への航空宇宙産業クラスターの実現に向けた研究会)が主催するイベントで、宇宙をテーマにビジネスや教育、アートなどに関わる方々をゲストに交えたトークイベントです。
今回は、中島が登壇した「第4部 教育セッション」と「第6部 アート思考と新産業創出」についてご紹介いたします。
第4部 教育セッション
第4部の教育セッションでは、月面探査車「YAOKI」の紹介と実演デモを披露させていただくとともに、YAOKI開発者として考える「教育的側面から考える宇宙開発」について語りました。当日、中島が話した内容を一部抜粋、要約してお伝えします。
中島
月面探査というYAOKIのプロジェクトは壮大なものであるが故に、漠然とした印象を受けるかもしれません。だからこそ、展示イベント等で子どもたちにも操縦してもらうことで、宇宙開発のイメージを具体的な体験として提供しています。それが、教育面での大きな役割も果たしていると考えています。
子どもたちは操作の際、ローバーを砂に埋めたり、壁にぶつけたりしますが、「転んでも大丈夫。バタバタさせたら起きるよ。”八起”だから。」と伝えています。失敗も含めて、いろいろなことを試すのが大事なのです。
YAOKIを操作してもらうと、目をキラキラさせて、口がポカーンと開きます。人が純粋に夢中になる時はそんなものなのかもしれません。学問的な勉強も大切ですが、こういった肌感のある体験も大切です。
YAOKIの操作は、ゲームをやっている子ほど上手い。実際に月に着陸した歳も、年齢に関わらず上手な人にやってもらえたら良いですよね。月との通信では、10秒ほどの遅延(タイムラグ)が発生するので、操作の難易度は上がります。なので、私自身は操縦しないと決めています(笑)
中島が言うように、YAOKIの操縦をしたという子どもたちの具体的な経験が、これからの人類の宇宙開発・宇宙進出を切り開いていくことでしょう。予測不能なことが起こり、これまでの常識が通用しなくなっていく昨今だからこそ、将来を担う子どもたちには、YAOKIのように何度転んでも立ち上がってほしい。それを支える環境作りに、私たちも貢献したいと考えています。
第6部 アート思考と新産業創出
第6部では、一般財団法人プロジェクションマッピング協会の石多未知行氏、そしてSpaceBD株式会社の永崎将利氏と共に、「アート思考と新産業創出」をテーマにお話させていただきました。こちらも、中島のトークから一部抜粋、要約してお伝えします。
中島
アート思考で世界を見てみると、美しいものには法則が隠れていることに気づけます。たとえば、自然の中にある黄金比がそれに当てはまりますが、六角形もその一つです。自然界には六角形を形成するものが多々あり、雪の結晶、蜂の巣、土星の極(北極/南極)などがその例です。『6』という数字は完全数とも言われています。
実は、YAOKIでも『6』という数字を取り入れて設計しようとしましたが、『6』はその名の通り完全すぎて扱いきれませんでした。そこで『12』を取り入れて設計を進めることにしました。『12』は完全性を維持つつ親和性をもたらし、全体としてのまとまりが感じられるようになっているのです。具体的には、車輪の直径や車体の幅などを12の倍数や約数で構成しています。『12』は昔から時計や年月の単位などに使われており、特別な意味があるのかもしれません。個人的に『12』を完全倍数と呼んでいます。
YAOKIが多くの人に愛着を感じていただけるのは、そうした数字で構成されたアートの要素があるのかもしれませんね。
宇宙開発は、未知なるものに挑戦することです。知識は勉学から、つまり過去のものから学ぶことであるのに対し、アートは感性を学ぶもの。未知なるものを感覚的に捉える力は、アートから養えるのではないでしょうか。
まとめ
「 第3回航空宇宙ビジネスフォーラムin倉敷」について、ご紹介させていただきました。
今後も各地でイベントに参加していきますので、皆様とお会いできるのを楽しみにしています。これからもYAOKIの応援よろしくお願いします!